マンション投資都心vs地方比較|宅建士が5物件で見た利回り実額2026

マンション投資の都心vs地方という問いに、私は宅地建物取引士・AFPとして明確な答えを持っています。2022年から2025年にかけて5物件の現地調査と収益シミュレーションを重ねた結果、「表面利回りが高い地方物件は必ずしも有利ではない」という結論に至りました。本記事ではその実数値と失敗体験を包み隠さず公開します。

都心と地方の利回り実数値比較|表面と実質で逆転する収益構造

5物件の表面利回りと実質利回りを並べてみた

私が2022年〜2025年にかけて調査・検討した5物件の概要を整理します。都心物件(東京23区内)は2物件、地方物件(政令指定都市の周辺・地方中核都市)は3物件です。

都心A物件(東京城東エリア・築12年・ワンルーム投資):購入価格2,100万円、月額賃料78,000円、表面利回り4.5%、実質利回り3.2%。都心B物件(神奈川川崎市・築8年・区分マンション投資):購入価格1,850万円、月額賃料75,000円、表面利回り4.9%、実質利回り3.6%。

一方、地方C物件(東北某政令市周辺・築19年):購入価格580万円、月額賃料34,000円、表面利回り7.0%、実質利回り3.8%。地方D物件(北陸中核市・築22年):購入価格420万円、月額賃料28,000円、表面利回り8.0%、実質利回り2.9%。地方E物件(九州地方都市・築27年):購入価格310万円、月額賃料22,000円、表面利回り8.5%、実質利回り2.1%。

数字を並べると、表面利回りは地方が圧倒しています。しかし実質利回りに落とすと都心B物件(3.6%)と地方C物件(3.8%)はほぼ拮抗し、地方D・E物件は都心を下回ります。管理費・修繕積立金の上昇、固定資産税、空室期間のロスが地方物件に集中して乗るためです。

管理コストと空室期間が実質利回りを押し下げる仕組み

実質利回りの計算式は「(年間家賃収入-年間諸経費)÷購入総額×100」です。地方物件で見落とされやすい諸経費には、築年数に比例して増える修繕積立金(地方D物件では月額12,000円超)、入退去時の原状回復費用(地方では業者選定肢が限られ割高になるケース有)、そして空室期間中の管理費持ち出しが挙げられます。

地方D物件を例にとると、年間家賃収入336,000円に対し、管理費・修繕積立金だけで年間約150,000円。固定資産税・都市計画税が約28,000円、入退去1回の費用を年間按分すると約35,000円。実質的な手取り収入は年間123,000円程度となり、購入価格420万円に対すると実質利回りは約2.9%に落ちます。表面利回り8.0%の半分以下です。区分マンション投資を検討する際、この落差を事前に試算することが欠かせません。

地方物件で失敗した実体験|表面利回り7%に飛びついた代償

宅建士でも見抜けなかった空室リスクの本質

正直に話します。私は2023年初頭、地方C物件(東北某政令市周辺・表面利回り7.0%)の取得を本気で検討し、現地調査まで行いました。その物件は最終的に見送りましたが、判断が1ヶ月遅れていたら取得していたと思います。

現地で感じた違和感は「駅徒歩12分・周辺の類似物件の空室率の高さ」でした。物件周辺500m圏内に同築年代の賃貸マンションが4棟あり、空室率を目視確認すると30〜40%程度に見えました。仲介業者に確認すると「直近2年で入居期間が平均8ヶ月」という情報が出てきました。年間のうち4ヶ月弱が空室に近い状態では、表面利回り7.0%は実態を大きく上回る数字になります。

宅地建物取引士の資格を持っていても、地域の需給バランスや人口動態は現地に立って初めて体感できます。物件調査レポートや賃貸仲介会社のヒアリングを組み合わせなければ空室リスクの実像は掴めません。

私がフィリピン・ハワイ不動産と比較して気づいた国内地方物件の構造問題

私は東京都内で法人を経営しながら、フィリピンとハワイで実物不動産を保有しています。海外物件との比較経験から言うと、国内地方物件が抱える構造的な問題は「人口減少下での賃料下落圧力」と「建物価値の早期逓減」の2点に集約されます。

フィリピン・マニラ都市圏では人口増加が続き、需要過多の状態が継続しています。ハワイは供給制約と観光需要により価格下落が起きにくい。一方、国内地方都市は2025年以降も人口減少が加速する地域が多く、国立社会保障・人口問題研究所の2023年推計でも地方圏での世帯数減少が明示されています。

国内でワンルーム投資をするなら、人口が維持されるエリアに絞るべきです。この観点で都心物件の優位性は揺らがないと私は判断しています。個別の投資判断は最終的にご自身の状況と専門家への確認を踏まえて行ってください。

空室率で見た立地選定基準|7つのチェックポイント

入居需要を裏付ける4つの定量指標

区分マンション投資において立地選定の根拠を定量化することが重要です。私が現地調査で必ず確認する4つの指標を紹介します。

①最寄り駅の乗降客数と推移(国土交通省「鉄道統計年報」等で確認)。都心主要駅は2024年時点でコロナ前比95%超まで回復、一方で地方単独路線は減少が続くケースもあります。②徒歩圏内(800m以内)の競合賃貸物件の空室数。周辺の募集状況はSUUMO・at homeで実際に検索して確認できます。③エリアの外国人・単身世帯比率(住民基本台帳を活用)。東京都心部はインバウンド関連就労者の増加で単身需要が底堅い。④直近5年の公示地価の推移。下落基調のエリアは賃料も下落しやすいです。区分マンション投資おすすめエリア7選|宅建士が3年で見た実態2026

見落とされがちな3つの定性チェック

数字だけでは見えない定性的な確認も外せません。⑤周辺の商業施設・コンビニの撤退状況。生活利便性の低下は入居者離れに直結します。⑥物件管理会社の対応速度と実績。管理の質が空室期間の長短を左右します。⑦大学・オフィス移転などの大型需要源の動向。2024〜2026年は都内で複数のオフィス・大学施設の移転・新設が予定されており、エリアによっては需要が急変するケースがあります。

この7基準を物件チェックリストとして使うと、表面利回りの高さだけで飛びつくリスクを大幅に抑えられます。空室リスクの管理こそが区分マンション投資の収益を守る核心です。

出口戦略で差がつく売却額|都心と地方で3倍開く現実

5物件の想定売却価格を試算してみた

投資物件は「買う時」だけでなく「売る時」を想定してから取得するべきです。私が検討した5物件の取得3〜5年後の想定売却価格を試算しました。

都心A物件(2,100万円取得):築15〜17年時点での売却想定価格1,950万円〜2,050万円。価格維持率93〜98%。都心B物件(1,850万円取得):1,750万円〜1,900万円。価格維持率95〜103%。立地優位性から若干の値上がりも期待できる水準です。

地方C物件(580万円取得):築22〜24年時点で380万円〜430万円。価格維持率66〜74%。地方D物件(420万円取得):230万円〜290万円。価格維持率55〜69%。地方E物件(310万円取得):120万円〜170万円。価格維持率39〜55%。数字が示す通り、取得価格が低い地方物件ほど出口価格の下落率が大きく、最終的なトータル収益(インカムゲイン+キャピタルゲインの合算)では都心物件が有利になるケースが多いです。

出口戦略を左右する「築年数×ローン残債×市況」の三角形

出口戦略の成否は「売却時の築年数」「ローン残債」「市況タイミング」の三つが絡み合って決まります。地方物件は築年数が進むほど金融機関の担保評価が落ち、次の買い手がローンを組みにくくなります。これが流動性リスクです。現金購入者に絞られると買い手が激減し、売却価格は理論値を大きく下回ることがあります。東京マンション投資の7大リスク|宅建士が現場で見た2026年の実態

一方、都心区分マンション投資は築20年超でも融資がつきやすいケースがあり、実需層(自己居住目的の購入者)との競合が生まれるため流動性が保たれます。ワンルーム投資で出口を意識するなら、「投資家にしか売れない物件」を避けることが重要な判断軸になります。なお、売却時の税務処理(譲渡所得の計算・短期長期の区分等)については、所得税法の規定に従い税理士または所轄税務署にご確認ください。

まとめ|都心vs地方、2026年の結論と次の一手

5物件から導いた収益判断の7基準

  • ①表面利回りではなく実質利回りで判断する(管理費・修繕積立金・空室ロスを必ず控除)
  • ②最寄り駅の乗降客数と直近5年の公示地価推移を定量確認する
  • ③競合物件の空室状況を現地または賃貸サイトで自分の目で確認する
  • ④人口減少が加速するエリアの物件は出口価格の下落リスクを織り込む
  • ⑤売却時に投資家以外の買い手(実需層)がつく立地か否かを確認する
  • ⑥築年数が進んでも金融機関の担保評価が維持されるか確認する
  • ⑦税務処理(減価償却・譲渡所得・法人か個人かの課税構造)は税理士に事前相談する

宅建士・AFPとしての結論と、あなたへの具体的な次のステップ

私が宅地建物取引士・AFPとして5物件を3年間にわたって比較検討した結論は明確です。マンション投資における都心vs地方の判断は、表面利回りではなく「実質利回り×出口流動性×人口動態」の三軸で行うべきであり、2026年時点では都心区分マンション投資の優位性が総合的に高いと判断しています。

ただし、購入価格・自己資金・融資条件・税務上の立場(個人か法人か)によって最適解は変わります。個別の事情により収益シミュレーションは大きく異なるため、最終的な投資判断は税理士・ファイナンシャルプランナー・宅建士などの専門家に相談しながら進めることを強くお勧めします。

まず手軽に取れる行動として、複数の投資会社を横並びで比較することから始めてください。担当者の質・提案物件のエリア分布・管理体制の違いを比べることで、自分に合うパートナーが見えてきます。

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筆者:Christopher(クリストファー)/AFP(日本FP協会認定)・宅地建物取引士。東京都内で法人を経営し、フィリピン・ハワイで実物不動産を保有。大手生命保険会社2年、総合保険代理店3年を経て、個人事業主・富裕層・経営者の保険×税務相談を多数担当。宅地建物取引士として国内外の物件比較・投資物件の見極めを実務で経験。現在は都内法人経営・インバウンド民泊事業を運営しながら、国内マンション投資のリアルを発信している。

【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。

【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆

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