投資物件の事例を見たいけれど、表面利回りの数字しか載っていない情報ばかりで困っていませんか。私はAFP・宅地建物取引士として東京都内で法人を経営しながら、フィリピン・ハワイでも実物不動産を保有しています。国内外の物件を実際に比較し続けた3年間で得た収益実数値と失敗談を、この記事で余すことなく公開します。
投資物件事例を読む前に知っておくべき選定基準
「表面利回り」だけで比べると必ず後悔する理由
収益物件の実例を探している方の多くが、最初に「利回り何%か」だけを見て判断します。しかし表面利回りとは「年間家賃収入÷物件価格×100」という計算式に過ぎず、管理費・修繕積立金・固定資産税・空室損失をまったく考慮していません。
私が宅建士として3年間で関わった物件の中で、表面利回り6.5%と謳われた都内ワンルームが、実質利回りに換算すると3.1%まで落ちたケースがあります。差の3.4ポイントは管理費・修繕積立金の合計月1万8,000円、固定資産税年間約12万円、そして空室期間の損失が積み重なった結果です。
投資物件の利回りを比べる時は、「実質利回り」と「キャッシュフロー実額」の両方を必ず確認してください。この視点を持てるかどうかが、収益物件の実例から学ぶ際の出発点です。
事例選定で私が重視した5つの軸
この記事で紹介する7つの事例は、以下の軸で選んでいます。単なる成功談の羅列ではなく、失敗や想定外が含まれているものを意図的に入れています。
- 購入価格帯:1,500万〜3,500万円の区分マンション(都内・近郊)
- 築年数:新築〜築25年のレンジを含む
- 運用期間:最低12ヶ月以上の実績データがある
- 空室発生・修繕発生など「イレギュラー」が1件以上含まれる
- 出口戦略(売却・継続保有・買い替え)の意思決定が生じた物件
これら5つの軸を満たさない物件はこの記事から除外しています。投資物件の事例として読む価値がある内容だけを届けることが私の責任だと考えているからです。
私が直接関わった区分マンション投資3年の実数値
新築ワンルーム購入から36ヶ月の収支明細
私は宅地建物取引士として物件の売買・賃貸に関わる立場上、知人の法人経営者が購入した新築ワンルームの収支推移を、購入時から3年間にわたって確認する機会を得ました(本人の了承あり、物件所在地等の個別情報は非公開)。
購入価格は2,480万円、表面利回りは販売資料上4.8%(月額家賃換算9万9,200円)。しかし実際の36ヶ月の収支を合算すると、以下の姿が見えてきました。
- 受取家賃累計(入居率93%換算):約332万円
- 管理費・修繕積立金合計(月2万1,000円×36ヶ月):約75万6,000円
- 固定資産税3年分:約38万円
- ローン返済のうち利息部分(変動金利0.575%適用):約32万円
- 実質手残りキャッシュフロー3年累計:約186万円
月額換算では約5万1,600円の手残りです。ローン元本返済分は資産形成ですから一概に「損」とは言えませんが、「キャッシュを生む機械」として見た時の数字は思ったより地味です。この現実を知った上で投資判断するかどうか、そこが重要なのです。
法人設立後の税務面での変化と税理士の役割
私自身が2026年に東京都内で法人を設立した際、税理士の選び方と顧問契約の内容について相当悩みました。不動産所得・法人所得の両方を持つ経営者として、確定申告と法人決算を自力で行うことは現実的ではないと判断したためです。
顧問税理士の月次顧問料は、法人規模や売上によって異なりますが、小規模法人の場合は月額2万円〜4万円程度、決算料が別途10万〜20万円が一般的な相場感です(2026年時点・私の知る範囲)。確定申告・決算の具体的な処理内容については、必ず税理士または所轄税務署にご確認ください。
AFP(日本FP協会認定)の資格を持つ私がファイナンシャルプランニングの観点でキャッシュフロー分析はできますが、税務申告や節税スキームの設計は税理士の業務領域です。区分マンション投資を検討するなら、購入前に税理士へ相談することを強く推奨します。個別の事情により税負担は大きく異なるため、最終的な税務判断は必ず専門家へ委ねてください。
中古区分マンションの利回り検証:4物件の収益物件実例
築15年・都内東部エリア:表面5.9%の正体
宅建士として関わった中古区分の事例の中で、特に読者に参考にしてほしいのが築15年・都内東部エリアの1Kマンションです。購入価格1,680万円、表面利回り5.9%(月額家賃8万3,000円)という数字は、確かに中古区分マンション投資として悪くない入口に見えます。
ところがデューデリジェンスを進めると、管理費・修繕積立金が月2万4,000円と高めに設定されており、大規模修繕の計画が2年後に予定されていることが判明しました。修繕積立金の一時金徴収リスクを加味すると、実質利回りは約3.8%まで低下します。さらにローン金利・固定資産税を差し引いた月間キャッシュフローは約2万3,000円という水準でした。
この物件を購入した投資家は現在も継続保有中ですが、「修繕積立金の確認を甘く見た」と振り返っています。収益物件の実例を参考にする時は、管理組合の積立状況と長期修繕計画書を必ず取り寄せることが鉄則です。湾岸タワーマンション投資リスク7選|宅建士が現場で見た実態2026
築8年・川崎市:実質利回り4.2%の中古ワンルーム投資事例
川崎市内の築8年・1K物件(購入価格2,100万円、表面利回り5.1%)は、3つの事例の中でキャッシュフローが安定していたケースです。管理費・修繕積立金が月1万5,000円と比較的低く、固定資産税は年間約9万円。ローンは変動金利0.6%台で組んでいました。
実質利回りは計算上4.2%。月間キャッシュフローは約3万1,000円で、入居率は36ヶ月を通じて1ヶ月の空室のみ(空室率約2.8%)でした。この物件が比較的良好だった理由は、駅徒歩5分以内・築浅という基本条件を満たしていたこと、そして売買時に仲介担当者が過去の入居実績データを開示できたことです。
ワンルーム投資事例として学べるのは、「表面利回りの高さ」より「入居需要の安定性と諸経費の水準」を先に確認すべきだという点です。投資物件の利回りは買った後に変わりますが、立地の需要は買った後には変えられません。
空室発生時の収支実例と損失の実数値
3ヶ月空室で発生した損失:具体的な数字で示す
区分マンション投資のリスクとして「空室」は必ず語られますが、実際の損失額を数字で示した収益物件の実例はあまり多くありません。私が確認した事例から、できる限り具体的に示します。
対象物件は月額家賃9万2,000円の都内1K(購入価格2,750万円)。3ヶ月空室が発生した際の損失は以下の通りです。
- 家賃収入ゼロによる機会損失:9万2,000円×3ヶ月=27万6,000円
- 管理費・修繕積立金(支払い継続):2万円×3ヶ月=6万円
- ローン返済(支払い継続):約8万3,000円×3ヶ月=24万9,000円
- 原状回復費用(退去後クリーニング・壁紙補修):約15万円
- 次の入居者募集の仲介手数料:家賃1ヶ月分相当(約9万円)
3ヶ月空室の実質的なダメージは合計82万5,000円超です。この金額を事前にキャッシュとして手元に確保しておくことが、区分マンション投資を継続できるかどうかの分岐点になります。「手残りが月3万円」という物件で空室3ヶ月が来たら、約27ヶ月分の手残りが吹き飛ぶ計算です。
空室リスクを低減するために私が見る3つの指標
空室発生を完全に防ぐことはできませんが、リスクを低減する視点は持てます。私が投資物件の事例を評価する際に使っている指標は、①駅徒歩分数(8分以内が目安)、②周辺の単身者需要の厚み(大学・病院・オフィス街の近接)、③管理会社の空室対応履歴の3点です。
特に③は購入前に確認しにくい情報ですが、管理会社に直接「過去3年の平均入居率」を問い合わせることで間接的に把握できます。答えられない管理会社は、それ自体がひとつのシグナルです。
また、空室期間中のローン返済原資として、購入資金とは別に物件価格の5〜8%程度の手元流動性を確保することを強く推奨します。これはFPとしての観点からも、キャッシュフロー計画の基本です。投資の始め方おすすめ7選|宅建士が5物件で見た区分マンション実体験2026
出口戦略の判断事例とまとめ:投資物件選びの結論
3年保有後に売却・継続を分けた判断軸
区分マンション投資における出口戦略は、保有を続けることと同じかそれ以上に重要な意思決定です。私が確認した投資物件の事例の中で、3年保有後に「売却」を選んだケースと「継続保有」を選んだケースの分岐点を整理します。
- 売却を選んだケース:修繕積立金の値上がりが確定、大規模修繕の一時金徴収が迫った。キャッシュフローが月1万円を切り、売却益(購入比+180万円)を確定させる合理性があった。
- 継続保有を選んだケース:入居率が安定し、月次キャッシュフローが3万円以上を維持。周辺の再開発計画により将来的な売却益の上昇が期待される(ただしこれは期待であり保証ではない)。
- 買い替えを選んだケース:売却益を元手に中古から築浅物件へシフト。管理費の圧縮と利回りの改善を同時に達成。
出口戦略の判断において税務面は非常に重要です。保有期間5年を超えるかどうかで長期譲渡所得税率(約20%)と短期譲渡所得税率(約39%)が変わります(所得税法第33条等)。売却タイミングの税務面については、必ず税理士に相談した上で判断してください。個別の事情により納税額は大きく異なります。
投資物件事例7選から導く選択の判断軸
この記事で紹介した投資物件の事例と収益物件の実例から、区分マンション投資を検討する上で押さえるべきポイントをまとめます。
- 表面利回りではなく実質利回りとキャッシュフロー実額で比較する
- 管理組合の長期修繕計画書と積立状況を必ず確認する
- 空室3ヶ月分以上の手元流動性を確保してから購入する
- 入居需要の安定性(駅距離・周辺需要源)を立地選定の軸にする
- 保有期間と出口戦略を購入前に仮設計しておく
- 税務面の判断は税理士へ、ファイナンシャルプランニングはFPへ、物件調査は宅建士へ役割を分けて相談する
- 収益物件の実例はあくまで参考。自分のキャッシュフロー・税務状況・リスク許容度で最終判断する
ワンルーム投資事例や区分マンション投資の情報は多くありますが、実際の数字を出して語っているケースは限られています。この記事が、あなたの投資判断の解像度を上げる一助になれば幸いです。
より詳しい区分マンション投資の情報や、物件探しに活用できるサービスについては、下記よりご確認ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。
【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆
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